麻酔王国<王国の地誌と始めの挨拶>

 ここは,本州からおよそ620kmほど東へ向かった海上に大きな島であり,独立国家が存在しています。
その名を国分と言います。ここに住む人々は,日本からの移民です。
 2360年,日米新領土承認条約と言う条約が締結されました。これは太平洋戦争後,
日本の領土を制限する政策によって縮小されましたが,平和的手段であれば,1箇所に限って拡大・独立を認めると言う内容でした。
 この島は,平行四辺形に近い形状で,東西が200km,南北160kmの大きさがあります。
ここに15,000人の人々が住み,民主主義のもと政治が行われています。
 2710年現在,内閣総理大臣は田宮庄之助氏。
 政党は3つ。民主国民党・立憲国民党・残哲県鉄友会がそれです。鉄友会とは,政治は鉄道敷設があってこそ
と言う理念を持った人の集まりで,残哲県で発足した事に由来しています。
 対角線によって4つの地区に分けられます。東西南北の順に,志村県・残哲県・南国県・北国県です。
首都は残哲県にあり,低砂(ひくさご)です。

 さて,詳しい地誌は追々説明するとして,今ここで国会議事録をご覧いただきたいと思います。
 因みに,太田とは野党の立憲国民党の議員です。

太田:総理は,ミンコク党(民主国民党の事)の不祥事について,どう思われるのですか?
田宮:大変遺憾です。こんな政党と連立内閣を組閣していたのかと思うと,情けないの一言であります。
太田:その不祥事が,破廉恥な行為であった訳ですが,それに関わる事柄を述べます。
まず,使用されたクロロホルムが3KL,液化アンモニアが同じく3KL。被害者は,11歳から23歳までの女性。
これら被害者に,薬を嗅がせて人造人間化手術を施したと言うではありませんか。それも,田宮総理,あなたの性処理用サイボーグとし
てです。これは異常です。ミンコク党も随分落ちぶれたものですなあ。
田宮:人造人間化手術は認めます。また,被害者と仰りますが,これは募集し,応募されてきた方ばかりです。
ましてや,目的が性処理サイボーグだなんて,冗談じゃありませんよ。

 筆者は,こんなお堅い文章を書いているのには訳があります。
 私は,残哲県鉄友会の者ですが,田宮総理やミンコク党の不祥事が本当である事を,
世界中の皆様に知って欲しいのです。その為に,まず「クロロホルムフェチ」の皆様に,
この使い方が正しいかどうかご英断を戴きたいのです。
 今回は,皆様の言葉で言えば「クロロシーン」はありませんが,被害者が30名もおります。
このうち,数名の例をご紹介いたしますので,それまでどうかご辛抱ください。
 では,第1稿は終わりにします。
                                  つづく

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