麻酔王国<反論すれど相手にされず>

 この新聞に連載記事を書かせていただいたお陰で,野党の皆さんに田宮内閣打倒を意識し始めていただいて
大変嬉しく思っております。この田宮を辞めさせる為なら,私も辞職をしても構わないと思っております。
 与党である残哲県鉄友会と民主国民党は,今非常にピンチ状態にあります。
特に,総理が所属する民主国民党(ミンコク党と称されます)は,絶体絶命です。
 そんな中での国会議事録をご覧いただきたいと思います。
 またまた立憲国民党員の太田氏の登場です。
太田:「田宮さん,あなたはまだサイボーグ改造手術を止めないのですか?」
田宮:「もう止めた筈です。そんな言い掛かりは止めて下さい。」
太田:「いいえ,言い掛かりではありません。ちゃんとした証拠があっての事です。
    これは,ある国の新聞の連載記事です。総理は,これをお読みになった事はありますか?」
田宮:「いいえ,ありません。それは何処の新聞で,どなたのお書きになったモノでしょう?」
太田:「よろしいですね?」
 私の方を向いて,そう尋ねてきましたので,無言で頷きました。
太田:「情報大臣の河本圭吾氏です。彼が,あなたの為す事を見兼ねて,最初は匿名で,
    2回目からは名前入りで記事を書かれている。うそをつけない河本大臣のお書きにな
    った事です。きっと本当でしょう。」
田宮:「本当ですか?もし本当なら大変な事です。」
太田:「どうして?」
田宮:「閣僚が内閣に泥を塗る様な事をするとお思いですか?支持率を下げる様な事があ
    ってはなりません。」
太田:「支持率を支えている大臣がやっているんです。支持率が下がるとでもお思いです
    か?河本大臣は国民の味方,あなたは国民の敵だ。」
田宮「失礼な!ここは国会ですぞ。TV中継されている所で何と言う事を!」
太田:「総理。今の支持率をご存知ですか?75.3%,これは河本大臣と,外務大臣の犬
    山海斗氏のお陰です。あなたのやった事に何がおありですか?鉄道経営法の改正で
    赤字路線を減らした事,それとサイボーグ改造手術。前者は,大いに評価すべきでしょう。
    しかし,後者は如何な物かと。本当に強い戦士・兵士を作る為なら,理解の出来
    ぬ事ではありませんが,今回の場合,総理の性処理用となると大々問題です。」
田宮:「ですから,サイボーグの件は,本当に性処理用ではありません。これだけは明確に
    しておきます。」
太田:「では,その本当の用途は何ですか?」
田宮:「それを見極める為に,研究しているんです。河本さんは,昔作家志望であった様で
    すので,文章を書くのがお好きなんです。ですから,連載小説をお書きになっている
    のですよ。登場人物が実在しているだけです。信じて下さい。」
 その日の夕刊の見出しは,
 「田宮内閣支持下がり  河本株上がる」
 「田宮サイボーグ化手術やめられぬ 手術趣味」
など,批判の声や支持率が下がった事を報じていました。
 私は,内心ざまみろと思っていました。
 しかし,総理の周りの人は私が手術のとりこになっていると思われている様です。
小説を書く位,面白がっていると言うのです。しかし,睨まれたり処分されない交換条件と思って無視しておりました。

つづく

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